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部位別の症状と後遺障害

高次脳機能障害

高次脳機能障害とは

交通事故による高次脳機能障害について

高次脳機能障害について、医学的に統一された定義はないようですが、一般的に「脳の損傷による後遺症として生じる記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などの認知障害」をもって高次脳機能障害と呼んでいます。

交通事故等により、脳出血やびまん性軸索損傷等の脳損傷が生じ、意識障害に陥るなどした場合、該当する部分の脳機能の低下により、下記のような症状が現れることがあると言われています。

上記のような障害は、かつては医療や福祉の現場でも気づかれにくい「見えない障害」と言われてきましたが、近時の研究により診断基準が策定され、事故の脳外傷に起因する後遺障害として認められるようになっています。

高次脳機能障害の「発見」

脳外傷に起因して上記1の①~④のような障害が生じているとしても、事故に遭われ た被害者ご本人は、認知障害により「自分に障害が残っている」という事実を認識することが出来ない場合が少なくありません。

また、ご家族等の周囲の方も、上記のような障害については、骨折のような目に見えるものではないだけに、「本人の元々の性格や資質ではないか」、「年齢のせいで以前より物忘れが激しくなったのだろうか」、「反抗期で怒りっぽくなったのか」などと勘違いし、見落とされがちなのです。

そのようなことのないよう、周囲の方々におかれては、「脳外傷に起因して上記1の①~④のような障害が発症し得る」ということを十分に認識した上で、事故前と事故後でご本人の記憶力、注意力、遂行機能等に変化がないかを、慎重に吟味して頂く必要があります。

「入口の段階」における検討

高次脳機能障害の診断

自賠責保険においては、後遺障害診断書等において高次脳機能障害を疑わせる記載がある事案について、(明確に病名として記載されていなくても)幅広く「高次脳機能障害審査会」の審査にかけているとのことです。

もっとも、それらの事案が高次脳機能障害として認められるためには、「入口の段階」における検討要素として、①意識障害の推移、と②継時的な画像所見、といった要素により、脳に器質的損傷が残っているかが吟味されるとのことです。

具体的には、①頭部外傷後の意識障害(半昏睡~昏睡で開眼・応答しない状態)が少なくとも6時間以上、もしくは、健忘症あるいは軽度意識障害が少なくとも1週間続いているか、②頭部画像上、初診時の脳外傷が明らかで、少なくとも3か月以内に脳室拡大、脳萎縮が確認されるか、といったポイントが重視されているようです。

このような「入口の段階」の審査により、多くの事案がふるい落とされることになります。

高次脳機能障害の認定等級

上記のような意味での「入口の段階」での検討を経て高次脳機能障害があると考えられる場合でも、その等級が具体的に何級として認定されるかは別問題です。
上記のような高次脳機能障害により、相当期間のリハビリを経ても、記憶障害、遂行機能障害、その他何らかの障害が残っていることが認められる場合に、その障害の程度に応じて等級が認定されることになるのです。

高次脳機能障害が後遺障害として認定される場合の等級表は下記のとおりです。

等級障害の程度
第1級1号神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するのもの
第2級1号神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するのもの
第3級3号神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
第5級2号神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
第7級4号神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
第9級10号神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの

上記第1~9級の、どの等級を認定するかの判断基準については、上記の一覧表から明確には読み取ることが出来ません。
これら等級のより具体的な判断基準については、労災保険の認定上、下記のようなものが示されております。

等級障害の程度
1級「身体機能は残存しているが高度の痴呆があるために、生活維持に必要な身の回りの動作に全面的介護を要するもの」
2級「著しい判断力の低下や情動の不安定などがあって、一人で外出することができず、日常生活範囲は自宅内に限定されている。身体動作的には排泄、食事などの活動を行うことができても、生命維持に必要な身辺動作に家族からの声かけや看視を欠かすことができないもの」
3級「自宅周辺を一人で外出できるなど、日常生活の範囲は自宅に限定されていない。また声掛けや、介助なしでも日常の動作を行なえる。しかし記憶や注意力、新しいことを学習する能力、障害の自己認識、円滑な対人関係維持能力などに著しい障害があって、一般就労が全くできないか、困難なもの」
5級「単純繰り返し作業などに限定すれば、一般就労も可能。ただしあたら悪しい作業を学習できなかったり、環境が変わると作業を継続できなくなるなどの問題がある。このため一般人に比較して作業能力が著しく制限されており、就労の維持には、職場の理解と援助を欠かすことができないもの」
7級「一般就労を維持できるが、作業の手順が悪い、約束を忘れる、ミスが多いなどのことから一般人と同等の作業を行うことができないもの」
9級「一般就労を維持できるが、問題解決能力などに障害が残り、作業効率や作業持続力などに問題があるもの」

基本的には、1級と2級については、障害のために必要とする介護の程度で分類し、3級から9級については、障害により就労の支障があるその程度により分類している、ということになります。

もっとも、実際の運用において、いわゆる植物状態で1級になることが明白であるような方は別として、特に3~9級のどの等級が認定されるか、という基準は、かなり曖昧不明確であると言わざるを得ません。

審査の方式と書式

自賠責の審査は、面談を前提とせず、画像や診断書による「書類審査」によりなされることになります。 具体的には、基本となる「後遺障害診断書」や頭部CT、MRIなどの各種画像のほかに、

といった書類の作成が必要です。

①は、医師が、被害者の事故直後ころの意識障害の有無及び程度を記載するものであり、この書面の内容が「入口の段階」において非常に重要になります。

②は、医師が、画像検査等についての所見のほか、行った神経学的検査やその結果、四肢や体幹における運動機能、身の回りの行動に関する要介助の程度、認知・情緒・行動障害等に関する医学的所見を記載するものです。

③は、ご家族等が被害者の日常活動(動作、移動、金銭管理、人間関係等々)について介助を要するか否かや、感情的な言動、問題行動があるか等を記載するものです。

画像所見における器質的損傷の程度、①の書面による意識障害の程度、それらから想定される脳機能の障害が②,③の書面から看取されるのか、といった要素を総合して、等級の決定が行われているものと考えられます。

被害者側の考え方

高次脳機能障害における考え方

被害者及び周囲の方々としては、まず、当該事案が、高次脳機能障害として認められる事案であるのかを早期に把握しておく必要があります。
そのためには、上記3でご紹介したような、①意識障害の推移、と②継時的な画像所見、が重要です。

事故時に一定の意識障害があり、画像上の所見も認められるような事案であれば、高次脳機能障害の症状が出る可能性が高いと考えられますので、周囲の方が被害者ご本人の動静に十分に注意し、「事故以前と比較して何かしら変化したところは無いか」、「上記1の①~④でご紹介したような問題がないか」を慎重に吟味する必要があります。

その上で、異常があると見られるポイントについては、随時主治医の先生にご報告してカルテに残してもらうと共に、発症していると見られる障害の内容に対応した神経心理学的検査を施行してもらい、その結果も記録して頂く必要があります。

ご家族や周囲の方が作成する「日常生活状況報告書」については、被害者ご本人に残っている異常を余さず記載し、主治医の先生ともよく協議して、「神経系統の障害に関する医学的所見」についても十分な内容を記載頂く必要があります。

以上のような障害等級認定の流れや、必要な検査、必要書類の作成等についてご不明な点がありましたら、早期に交通事故に詳しい専門家にご相談されることをお勧めします。

何故なら、上記4でもご紹介しましたように、高次脳機能障害の等級認定基準は(特に3級~9級といった部分について)曖昧であり、提出した資料の内容により、認定等級が変わることがあり得るからです。

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